債券の価格と利回りの関係は、価格が上昇すれば利回りは低下し、価格が下落すれば利回りは上昇するという逆の関係になっている。また債券に投資した後、金利水準が上昇すれば債券価格は値下がりし、金利水準が低下すれば債券価格は値上がりするという関係になっている。その際、満期までの残存期間が長い債券ほど価格の変動率は大きくなるという特徴がある。
日本で通常、債券の利回りといえいえば、単利ベースの最終利回りを指す。最終利回りとは、流通市場で取引されている既発債を市場で時価で購入し、満期償還時(償還期限)まで保有した場合の利回りをいい、計算式は以下のとおりである。
利率(クーポンレート)4%、残存期間5年の債券の価格と最終利回りとの関係は以下のようになる。 この例から分かる通り、債券は価格が上昇すれば利回りは低下し、価格が下落すれば利回りは上昇する。 債券価格が上昇しているということは、債券に投資している人が利益を上げている状況であるから、債券価格が値上がりしていることを意味する。つまり、利回りは低下しているということである。 逆に債券相場が下落しているということは、債券に投資している人が損失を被っている状況であるから、債券価格が値下がりしていることを意味する。つまり、利回りは上昇しているということである。 この点を別の言い方でいうと、債券の利回りが低下しているということは価格の上昇を意味するので、債券相場の上昇を意味する。逆に債券の利回りが上昇しているということは価格の下落を意味するので、債券相場の下落を意味する。債券は発行時に定められた利率が満期償還時まで適用され続ける固定金利型の金融商品である(例外として変動利付債券もある)。 このため、その債券が発行された後、あるいはその債券に投資した後、金利水準が低下してくると、その利率の高さが人気を呼び値上がりする。逆に金利水準が上昇すると、その利率の低さが嫌気され値下がりする。 その際、満期までの残り期間(残存期間)が長い長期債ほど、上にも下にも価格は大きく変動する。残存期間の短い短期債は額面金額で償還される日が近づいてくるため、金利変動による影響は受けない。